最終更新日 2024年9月15日
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1、はじめに
【十五夜】は、旧暦の8月15日です。
「旧暦」 では、
7月~9月が秋になります。
8月は秋の真ん中なので
「中秋(ちゅうしゅう)」と言います。
そこから【十五夜】のことを
「中秋の名月」と言います。
さらにこの時期に穫れる「里芋」を
お供えするので「芋名月」とも言います。
【十五夜】を新暦に当てはめると
毎年9月7日~10月8日の間になります。
9月のイメージがありますが、
10月の年もあるわけです。
2024年は
「9月17日(火)」になります。
【十五夜】の月見には
団子とススキを供えて、
「月」を鑑賞するという
イメージがありますが、
このような風習は薄れつつあるように
感じます。
しかし、
「月」を鑑賞するだけではなく、
「月」に収穫を感謝する
行事でもあります。
そこで【十五夜】の月見について
紹介します。
ぜひ参考にして下さい。
2、十五夜の月見の由来
中国では古くから
「中秋の名月」を愛(め)でることが、
何よりも好まれていました。
この頃は空気が澄み渡り、
「月」が最もきれいに
見える時期だからです。
この【十五夜】の月見の風習が、
遣唐使
(けんとうし・630年から894年まで派遣)に
より奈良時代に伝わり、
貴族から武士へと広まっていきました。
それ以前は「月」を鑑賞する風習はなく、
満ち欠けを繰り返す「月」を
畏れ(おそれ)敬う存在でした。
中国から伝わって来た頃の月見は
月を見ながら
「月」という言葉を入れた
和歌を詠んで楽しみました。
この行事が庶民の間にも伝わり、
秋に収穫された物をお供えし、
実りに感謝し
【十五夜】の月見を楽しむ行事として
定着しました。
【十五夜】の月見のお供え物は、
主に「里芋」ですが、
稲作が盛んになる前から、
農作物といえば「里芋」が
中心であったためです。
また「里芋」は、
次から次へと増えるので、
古くから子孫繁栄の縁起物とされ、
祝い事に使われてきました。
かつては、
家々のお供え物を近所の人が持ち帰る
風習がありました。
これは、
月の神様が降りてきた証拠だとして
喜ばれました。
またその他【十五夜】の「供え物」に関する
言い伝えとして
①団子を盗まれた家は豊作になる。
②【十五夜】の団子を盗むと良い事がある。
③若い女性が「供え物」を
食べると嫁に行けなくなる。
などがあります。
3、十五夜の供え物
【十五夜】には、
月が見える場所にお供えをします。
「お供え物」は以下になります。
(1)月見団子
①団子の数は【十五夜】の15個や
1年の月数の12個を
三宝か丸いお盆に白い紙を
敷いたものにのせます。
②団子の形は、
少しつぶした丸い物
(まん丸は枕団子に通じるため)が多く、
あんこやきな粉をつける
場合もあります。
(2)秋の七草
①薄(すすき):イネ科ススキ属で茅(かや)の一種。
高さは1~2メートルで茎の先端に20~30㎝の穂があり
野原に生息し、根茎は解熱、利尿に効果ある。
②萩(はぎ):マメ科ハギ属の落葉低木。木とはいえ
年々太くならないどちらかといえば茎。荒地に生える。
紅紫色の小さな蝶形の花が咲く。
③葛(くず):マメ科クズ属の多年草。地面をつるが這う。
山林、荒地、土手などに生息。
葛粉や漢方薬の葛根湯(かっこんとう)に使われる。
④撫子(なでしこ):ナデシコ科ナデシコ属。
北半球の温帯地域を中心に約300種ある。
8月から9月にかけてピンクの小さな花が咲く。
子供や女性にたとえられえる。
⑤桔梗(ききょう):キキョウ科の多年生草本植物。
星形の青紫の花が咲く。
根は咳止め用の薬に使われる。
⑥女郎花(おみなえし):オミナエシ科オミナエシ属の
多年生植物。
黄色の小花が咲き、根は炎症を抑える薬に使われる。
⑦藤袴(ふじばかま):キク科ヒヨドリバナ属の多年生植物。川岸などに生え、
高さは1m位になる。
花の色が藤色を帯びて、花弁の形が袴のようであることから、「藤袴」の名が生まれたと言われている。
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4、月の呼び名
主な「月」の呼び名を紹介します。
・1日目の月=新月・朔(さく)
・2日目の月=二日月・既朔(きさく)
・3日目の月=三日月(みかづき)
・8日目の月=上弦(じょうげん)の月
・11日目の月=十日余(とうかあまり)の月
・13日目の月=十三夜月(じゅうさんやづき)
・14日目の月=小望月(こもちづき)・
待宵月(まつよいづき)
・15日目の月=十五夜=満月
・16日目の月=十六夜月(いざよいづき)
・17日目の月=立待月(たちまちづき)
・18日目の月=居待月(いまちづき)
・19日目の月=臥待月(ふしまちづき)・
寝待月(ねまちづき)
・20日目の月=更待月(ふけまちづき)
・23日目の月=下弦(かげん)の月
・26日目の月=有明月(ありあけづき)
・30日目の月=三十日月(みそかづき)
旧暦では、
月の満ち欠けで1か月を決めています。
1か月は必ず新月で始まり、
上弦の月、満月、下弦の月、
三十日月から再び新月に
戻るサイクルになります。
昔の人々はこのサイクルが、
潮の満ち引きや
自然界に影響がある事を知っていて、
月の変化を
暮らしに活かしていました。
「待宵月」は
【十五夜】の前日の「月」で
【十五夜】に天気が悪くなり
「月」を見る事が
出来なくなるといけないので
前の日に「月」を見るという意味が
あるとされています。
また、月見といえば
「月見草」が頭に浮かびます。
夏の夕方から白い花が開き始め、
夜中には淡い紅色に
変わり、朝には萎んでしまします。
か弱いイメージの花です。
「月見草」はほとんど野生化せず、
一時は絶滅の危機にありました。
現在はごく一部で栽培されています。
このようなか弱い花を自分に例えた
元プロ野球監督の「野村克也」さんの名言が
ありますのでぜひ読んでみて下さい。
(野村克也の名言、月見草はこちらからどうぞ)
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5、おわりに
昔の人は【十五夜】の月見だけでなく、
「月」の形を見て生活の判断を
してきました。
それが「お月様」と
言われる所以ではないでしょうか。
また、本当に「月」にうさぎがいて
餅を付いている
と思っていたかもしれません。
そのような昔の人と同じ「月」を
見ている私たちですが
せめて【十五夜】の月見位は、
昔の人のことを考えロマンチックな夜を
過ごしてみてはいかがでしょうか。
最後まで読んで頂き有難うございます。
参考書籍:PHP研究所発行
知れば納得!暮らしを楽しむ12ヶ月のしきたり
参考資料:ウィキペディア
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