最終更新日 2020年4月23日
目次
1、はじめに
2、手紙のマナー
3、手紙の書き方
4、頭語と結語の組み合わせ
5、時候の挨拶の例
6、手紙の表書きと裏書の注意点
7、おわりに
1、はじめに
最近では「通信手段」の発達で
離れた人とのコミュニケーションは
電話やメールでほとんど行われています。
昔からあるコミュニケーション手段の
【手紙】でのやり取りが少なくなっています。
そのため【手紙】のマナーや書き方について
知る機会も少なくなっています。
しかし、大切な人とのやり取りや
重要な事のやり取りには【手紙】を
使わなければいけない時も出てきます。
そこで、いざという時に困らないために
知識として頭にいれておいて下さい。

2、手紙のマナー
(1)封書とはがきの使い方
①一般的に【手紙】と言えば、「封書」で出す物です。
「はがき」で出す場合は、あくまでも「略式」です。
②用件だけを伝える時や事務的な伝達の場合は
「はがき」で出します。
③重要な内容や文章が長くなったり
他人に読まれては困る時は「封書」で出します。
④大切な人、重要な人、初めて出す人の場合は
「封書」で出します。
(2)基本的な注意点
①相手の名前、住所を間違えないように
出す前に必ずチェックをする。
②誤字や脱字を防ぐために下書きをしてから
清書し、さらに封筒に入れる前に再度読む。
③お礼の手紙やお見舞いの手紙などは
出す時期に注意し、遅れたり
出し忘れに注意します。

3、手紙の書き方
手紙の書き方は、一般的に下記のようになります。
(1)前文(ぜんぶん)
①頭語(とうご)
手紙を書く場合に、一番最初に書く言葉です。
(4、の頭語と結語の組み合わせを参照して下さい)
②時候の挨拶
季節感ある挨拶の言葉。
(5、の時候の挨拶の例を参照して下さい)
(2)主文(しゅぶん)
①手紙の用件や目的を書きます。
②時候の挨拶文を受けて書きます。
③書き出しは、「さて」「ところで」
で始めるのが一般的です。
④相手が読みやすい文章になるように心掛けます。
(3)末文(まつぶん)
①手紙の締めとなる文章を書きます。
②伝言的な文章(○○様にお伝え下さい)や
相手の健康を気遣う文章。
③結語(けつご)
文章の結びの言葉で
頭語との組み合わせが決まっています。
(4、頭語と結語の組み合わせを参照して下さい)
(4)後付け(あとづ・け)
①手紙を書いた日付、署名、宛名を書きます。
(5)添え文(そ・え・ぶみ)
①書き忘れてしまった事など必要に応じて書きます。
②P.S.や追伸として書き足します。
③目上の人に出す手紙の場合は書かないようにします。
4、頭語と結語の組み合わせ
手紙の種類 | 頭語 | 結語 |
一般的な手紙 | 拝啓(はいけい) | 敬具(けいぐ) |
拝呈(はいてい) | 拝具(はいぐ) | |
一筆申しあげます | かしこ | |
丁重な手紙 | 謹啓(きんけい) | 謹言(きんげん) |
謹呈(きんてい) | 謹白(きんぱく) | |
恭啓(きょうけい) | 啓白(けいびゃく) | |
急ぎの手紙 | 急啓(きゅうけい) | 草々(そうそう) |
取り急ぎ申しあげます | 不備(ふび) | |
取り急ぎ申しあげます | 不尽(ふじん) | |
前文省略 | 前略(ぜんりゃく) | 草々(そうそう) |
冠略(かんりゃく) | 不備(ふび) | |
前略ごめんください | かしこ | |
返信 | 拝復(はいふく) | 拝答(はいとう) |
復啓(ふくけい) | 拝具(はいぐ) | |
ご返事申しあげます | かしこ | |
ご返事申しあげます | 敬白(けいはく) |

5、時候の挨拶の例
1月:初春の候 大寒の候 松の内も明け
寒さもいよいよ厳しくなり
この冬はいくらか過ごしやすく
2月:立春の候 余寒の候 春浅い頃
まだまだ厳しい寒さが続く中
暦の上では春とはなりましたが
3月:春色の候 春分の候
春のたよりがうれしい季節になりました
日ごとに春めいてまいりました
4月:桜花爛漫の候 花冷えの候
春たけなわの季節になりました
うららかな春日和になりました
5月:晩春の候 緑風の候
若葉が目に眩しい今日この頃です
日中は汗ばむほどの陽気になりました
6月:入梅の候 梅雨晴れの候 麦秋の候
紫陽花の花が咲いております
梅雨明けが待ち遠しい今日この頃です
7月:盛夏の候 七夕の候 盛暑の候
夏空が眩しく感じられる頃になりました
花火の音が聞こえる季節になりました
8月:晩夏の候 残暑の候 秋暑の候
残暑お見舞い申し上げます
立秋とは名ばかりの暑い日が続いております。
9月:秋色の候 涼風の候
爽やかな秋晴れが続いております
朝夕は日ごとに涼しくなってまいりました
10月:秋月の候 錦秋の候
菊薫る季節となりました
秋の夜長、いかがお過ごしでしょうか
11月:晩秋の候 木枯らしの候 落葉の候
日に日に秋が深まり、露寒の季節になりました
吹く風に冬の到来を感じる季節になりました
12月:年末の候 師走の候 忙月の候
師走を迎え、何かと気ぜわしい毎日です
今年も残り少なくなりました
以上、時候の挨拶は出す相手の地域や
出す時期の状況を考えて書きましょう

6、手紙の表書きと裏書の注意点
(1)表書き
①個人に出す時の宛名は「○○様」が一般的です。
②会社や各種団体に出す時は
「○○会社御中」でこの会社の誰か宛てという意味です。
③個人名がわかっている時は
「○○会社 △△様」と書きます。
「○○会社御中 △△様」は
間違えですので注意しましょう。
④結婚式の招待状など往復はがき返信の注意点
ⅰ相手の宛名の下に「○○行」と書いてある場合は
「行」を消して「様」に書き直します。
ⅱ自分の住所・氏名を書く所の
「御住所」「御芳名」の「御」を消して
自分の住所・氏名を書きます。
(2)裏書
①封筒の裏に住所と名前を書きますが
名前を住所より少し大きく書きます。
②封筒に「封」をしたら「〆」を書くのが
一般的です。

7、おわりに
【手紙】を書くためには
しきたりやマナーがあります。
それだけに敬遠されがちですが
そこには日本人ならではの相手を気遣った
書き方があります。
文字が誕生してから現在に至るまで
コミュニケーション手段として続いています。
通信手段が発達し「文字離れ」が心配されますが
今後も【手紙】を
心のこもったコミュニケーション手段として
使っていきたいものです。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
参考書籍=PHP研究所発行
知れば納得!暮らしを楽しむ・12ヶ月のしきたり