最終更新日 2024年2月2日

目次
1、はじめに
【三国志】より「志や戒め」に関する故事
8選を紹介します。
生き方や行動に役立てて下さい。
*三国志とは
魏(ぎ)、呉(ご)、蜀(しょく)の
三国が争っていた歴史を書いた歴史書で、
信頼性に乏しいことは、極力使っていません。
撰者は西晋の陳寿(ちんじゅ)です。
*主な登場人物
①劉備(りゅうび):蜀漢(しょくかん)の
初代皇帝
②関羽(かんう):劉備、張飛と
黄巾の乱から行動を共にし、
蜀の建国に尽くした人物
③張飛(ちょうひ):劉備、関羽と
黄巾の乱から行動を共にし、
蜀の建国に尽くした人物
④諸葛孔明(しょかつこうめい):劉備に仕え、
天才軍師として活躍
⑤曹操(そうそう):魏の建国に尽力し、
乱世の英雄とされる人物
⑥呂布(りょふ):武芸を極めた武将
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*三国主な年表
西暦 | 魏での出来事 | 蜀での出来事 | 呉での出来事 |
220 | 曹丕が魏の文帝に | ||
221 | 孫権、魏に臣従する | 劉備が帝位につく | 孫権、呉王 となる |
文帝、呉を攻める | 劉備、陸遜に大敗 | 孫権、独自に年号 | |
223 | 曹仁が呉に破れる | 劉備死す | 蜀と同盟。 |
224 | 文帝、呉を攻める | 呉の使者が来訪 | 徐盛が魏を 退ける |
倭女王が遣使 | |||
241 | 呉の侵攻を防ぐ | 蔣琬が進軍する | 魏と対峙する |
243 | 倭女王卑弥呼が遣使 | 姜維が大将軍に | 顧雍、死す |
244 | 曹爽が漢中で敗退 | 費禕が魏軍を退ける | 陸遜が丞相 となる |
250 | 呉の混乱に乗じて攻撃 | 姜維が西平へ進軍 | 孫亮が太子 |
252 | 呉の南郡を攻める | 孫権が死す | |
253 | 呉軍と攻防を繰返す | 費禕が刺殺される | 諸葛恪が 殺される |
263 | 蜀を平定 | 蜀は滅亡 | |
280 | 呉を滅ぼし統一 | 魏は滅亡 |

2、故事
①悪の小なるを以って之を為すこと勿れ
(あくのしょうなるをもってこれをなすことなかれ)
意味:たとえ少しの悪事でも
行ってはいけない。
小さな悪事も積み重なれば、
大きな悪になる。
逆に善行はどんな小さなことでも
行うべきである。
エピソード:劉備が死の間際に、
息子の劉禅(りゅうぜん)を呼び、
「悪は小さな.事でも行ってはいけない、
善は小さな事でも行わなければならない」
と言って戒めた言葉です。
②一身都て是れ胆
(いっしんすべてこれたん)
意味:全身に勇気がみなぎり、
何事にも恐れない。
エピソード:劉備が曹操に追われて
逃げている時に、
趙雲(ちょううん・後漢末期の将軍)の
勇気ある行動で
助かったときの趙雲を絶賛する言葉。
③燕雀安んぞ鴻鵠の志をしらんや
(えんじゃくいずくんぞこうこくのここらざしをしらんや)
意味:燕や雀などの小さな鳥には、
おおとりやこうのとりのような
大きな鳥の志はわからない。
小さな志しか持てない小人物には、
大きな志を持つ大人物のことは、
わからない。
エピソード:曹操が董卓
(とうたく・後漢末期の政治家、武将)
を暗殺しようと試みたが
失敗し捕まってしまいました。
捕まえた陳宮
(ちんきゅう・後漢末期の武将)が
暗殺理由を聞いた時の
返答がこの言葉です。
この言葉に感動した陳宮は、
その後曹操の軍師になりました。
④危急存亡の秋
(ききゅうそんぼうのとき)
意味:生き残るか、死ぬかの瀬戸際。
切羽詰まった状態のこと。
秋をときと読むのは、
秋は収穫の時期で1年で
一番大事な時期だからです。
エピソード:劉備の子供、
劉禅(りゅうぜん)が
第二代皇帝になりましたが、
魏、呉が国力を高めている中、
危機感を持っていない劉禅に対して、
諸葛孔明が言った言葉です。

⑤鶏を割くにいずくんぞ牛刀を用いん
(にわとりをさくにいずくんぞぎゅうとうをもちいん)
意味:取るに足らないような
小さなことを処理する時に、
大人物や大掛かりなことを
する必要がない。
エピソード:董卓が敵の孫堅
(そんけん・後漢末期の武将)が
快進撃を続けていることに対して、
腹を立て、
勢いを止めるために、
呂布を使おうとしたが、
華雄(かゆう・後漢末期の武将)が
わざわざ偉大な呂布が出る幕ではない、
自分で充分だと言って、
出陣しました。
その時に使われた言葉です。
⑥匙箸を失う
(ひちょをうしなう)
意味:さじとはしを思わず落とすほど、
非常に驚く様子。
エピソード:劉備が曹操と
食事をしている時に、
「英雄は我々二人しかいない」
と言われ、驚きで、
さじと箸を落としたと
言われています。
⑦脾肉ぼ嘆
(ひにくのたん)
意味:実力を発揮して
功名をあげる機会がなく、
年月だけがいたずらに
過ぎてしまう事を
嘆き悲しむ事。
エピソード:脾肉とは足の股の事です。
劉備が、
劉表
(りゅうひょう・後漢末期の政治家、儒学者)
の所に身を寄せていた時の話です。
ある時自分の足を見つめて、
無駄な肉がついていることに気づき、
「長い間、世話になるだけで、
何も役立っていない」と
自分を嘆き悲しんだ時の言葉です。
⑧隴を得て蜀を望む
(ろうをえてしょくをのぞむ)
意味:願望を達成しても、
さらなる大きな願望を抱く事。
人間の欲望が限りない事のたとえ。
エピソード:曹操が
漢中郡(かんちゅうぐん)を
手に入れた時に、
司馬懿(しばい・魏の権力者)は、
「引き続き益州(えきしゅう)を
手に入れるべきだ」
と言いました。
この時に曹操がこの言葉を用いて、
人間の欲望には限りがないと
嘆きました。
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3、おわりに
【三国志】より「志や戒めに関する故事」8選を
紹介しました。
困った時に役立てて下さい。
また、これを機に【三国志】の世界に足を
踏み入れてはいかがでしょうか。
最後まで読んで頂き有難うございます。
参考書籍:株式会社HK INTERNATIONAL VISION発行
三国志故事成語辞典
参考資料:ウィキペディア
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②三国志より人物に関する故事9選はこちら
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