最終更新日 2023年12月18日
1、はじめに
【三国志】より「行動」に関わる故事
8選を紹介します。
行動の指針として役立てて下さい。
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*三国志とは
魏(ぎ)、呉(ご)、蜀(しょく)の
三国が争っていた歴史を書いた歴史書で、
信頼性に乏しいことは、極力使っていません。
撰者は西晋の陳寿(ちんじゅ)です。
*主な登場人物
①劉備(りゅうび):蜀漢(しょくかん)の
初代皇帝
②関羽(かんう):劉備、張飛と
黄巾の乱から行動を共にし、
蜀の建国に尽くした人物
③張飛(ちょうひ):劉備、関羽と
黄巾の乱から行動を共にし、
蜀の建国に尽くした人物
④諸葛孔明(しょかつこうめい):
劉備に仕え、
天才軍師として活躍
⑤曹操(そうそう):魏の建国に尽力し、
乱世の英雄とされる人物
⑥呂布(りょふ):武芸を極めた武将
*三国主な年表
西暦 | 魏での出来事 | 蜀での出来事 | 呉での出来事 |
220 | 曹丕が魏の文帝に | ||
221 | 孫権、魏に臣従する | 劉備が帝位につく | 孫権、呉王となる |
文帝、呉を攻める | 劉備、陸遜に大敗 | 孫権、独自に年号 | |
223 | 曹仁が呉に破れる | 劉備死す | 蜀と同盟。 |
224 | 文帝、呉を攻める | 呉の使者が来訪 | 徐盛が魏を退ける |
倭女王が遣使 | |||
241 | 呉の侵攻を防ぐ | 蔣琬が進軍する | 魏と対峙する |
243 | 倭女王卑弥呼が遣使 | 姜維が大将軍に | 顧雍、死す |
244 | 曹爽が漢中で敗退 | 費禕が魏軍を退ける | 陸遜が丞相となる |
250 | 呉の混乱に乗じて攻撃 | 姜維が西平へ進軍 | 孫亮が太子 |
252 | 呉の南郡を攻める | 孫権が死す | |
253 | 呉軍と攻防を繰返す | 費禕が刺殺される | 諸葛恪が殺される |
263 | 蜀を平定 | 蜀は滅亡 | |
280 | 呉を滅ぼし統一 | 魏は滅亡 |
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2、故事
①画餅
(がべい)
意味:絵にかいた餅が
食べれないように、
何の役にも立たない物。
実際の効果が何もないこと。
エピソード:魏の文帝
(ぶんてい・前漢の第五代皇帝)は、
人材を登用する時に、
有名であるからといって
それだけで登用してはいけない。
彼らは名前だけ何も行動できない。
絵に描いた餅が食べることを
できないように、
何の役にも立たないといった話から
引用されています。
②奇貨居くべし
(きかおくべし)
意味:将来価値が出そうな
珍しい物を買っておけば、
後で、利益を得る材料となるので、
この機会を逃さずに
買っておくべきという意味。
エピソード:秦(しん)の
呂不葦(りょふい)が商人だった頃、
趙(ちょう)の人質になっていた
秦の王子・子楚(しそ)を助けて、
後でうまく利用しようと考え
行動に移しました。
結局、子楚を助けたことにより
宰相(さいしょう・皇帝を補佐する役)
にまで登りつめました。
③苦肉の策
(くにくのさく)
意味:敵を欺くために、
自分の身や味方を苦しめてまで
行うはかりごと。
また、
苦し紛れに考えr出した手立てのこと。
エピソード:戦いを前にして、
呉の黄蓋(こうがい・後漢末期の武将)は、
曹操陣営にうその投降をして、
火をつける作戦をかんがえました。
敵を信じ込ませるため、
自分の大将の
周瑜(しゅうゆ・後漢末期の武将)の
作戦を批判して周瑜の怒りを買い、
追放されました。
これにより、
曹操陣営の中に入り込み、
火を放つことができました。
④呉下の阿蒙
(ごかのあもう)
意味:いつまでも進歩しない人。
学識のない人のこと。
エピソード:呂蒙
(りょもう・後漢末期の武将)は、
武力のみで学識がありませんでした。
そんな彼に
孫健(そんけん・呉の初代皇帝)は、
学問も身につけたほうが良いと
アドバイスをしました。
そこで早速行動に移し猛勉強をして、
学識を身につけることができました。
そんなある日、
参謀の魯粛
(ろしゅく・後漢末期の政治家、武将)と
対談しました。
魯粛は呂蒙のことを
武力だけかと思っていたが、
学識があることに驚き、
もはや昔の呂蒙ではないと称えました。
⑤天の与うるを取らざれば、
反って其の咎めを受く
(てんのあたうるをとらざれば、
かえってそのとがめをうく)
意味:天から与えてくれた物を
受け取らないと、かえって災いを招く。
幸運やチャンスを
大切にしなければいけない。
エピソード:劉備が
皇帝になるのをためらっていたので、
諸葛孔明がこの言葉を用いて、
劉備を促した。
⑥破竹の勢い
(はちくのいきおい)
意味:竹の最初の一節が割れると、
残りは簡単に割れるように、
勢いが激しすぎるため
誰にも止められない状況のこと。
エピソード:呉を攻め入るにあたって、
晋(以前の魏)の皇帝・杜預(とよ)は、
軍師から攻撃を待つように進言されたが、
軍の士気が高まっている今行動をおこせば、
竹を割ったように
一気に攻め込むことができると、
攻撃し、呉を滅ぼした。
⑦兵は神速を貴ぶ
(へいはしんそくをたっとぶ)
意味::戦争では、
何事も迅速に処理、対応することが、
大切である。
エピソード:冀州
(きしゅう・現在の北京周辺)で
最大勢力を誇っていた
袁紹(えんしゅう・後漢末期の政治家、武将)が
死亡すると、
その子供達は、
烏丸(うがん・北部の遊牧民族)へ
逃げてきました。
ここで曹操の軍師・郭嘉(かくか)は、
「兵は神速を貴ぶ」と言って、
迅速な行動を促すと共に、
烏丸で内紛が起きるように仕向け
一気に袁一族をほろぼしました。
⑧門を開きて盗を損す
(もんをひらきてとうをゆうす)
意味:自宅の門を自ら開けて、
泥棒を招きこむように、
自ら好んで災いをまねくこと。
四字熟語で「開門損盗」とも言います。
エピソード:呉の孫策
(そんさく・後漢末期の武将)が
亡くなって、
弟の孫権(そんけん・後漢末期の武将)が
その死を悲しんでいると、
張昭
(ちょうしょう・後漢末期の政治家、武将)が
孫権に対して
「今は戦争が絶えない時期で、
悲しんでいる暇はない」
それは「門を開けて
泥棒を招き入れているようなもの」で
「素早く行動に移すことが大事」と
アドバイスしました。
3、おわりに
【三国志】より「行動」に関わる「故事」8選を
紹介しました。
行動する上で決断に迷ったら、
ぜひこの「故事」を思い出して、
役立てて下さい。
また、これを機に【三国志】の世界に
足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。
最後まで読んで頂き有難うございます。
参考書籍:株式会社HK INTERNATIONAL VISION発行
三国志故事成語辞典
参考資料:ウィキペディア
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