最終更新日 2024年10月1日
1、はじめに
数多くの【三国志】の「故事」から
「人物像」に関する「故事」を紹介します。
参考にしていただき、
仕事や生活に生かして下さい。
*三国志とは
魏(ぎ)、呉(ご)、蜀(しょく)の
三国が争っていた歴史を書いた歴史書で、
信頼性に乏しいことは、極力使っていません。
撰者は西晋の陳寿(ちんじゅ)です。
*主な登場人物
①劉備(りゅうび):
蜀漢(しょくかん)の初代皇帝
②関羽(かんう):
劉備、張飛と黄巾の乱から行動を共にし、
蜀の建国に尽くした人物
③張飛(ちょうひ):劉備、関羽と
黄巾の乱から行動を共にし、
蜀の建国に尽くした人物
④諸葛孔明(しょかつこうめい):
劉備に仕え、
天才軍師として活躍
⑤曹操(そうそう):魏の建国に尽力し、
乱世の英雄とされる人物
⑥呂布(りょふ):武芸を極めた武将
*三国主な年表
西暦 | 魏での出来事 | 蜀での出来事 | 呉での出来事 |
220 | 曹丕が魏の文帝に | ||
221 | 孫権、魏に臣従する | 劉備が帝位につく | 孫権、呉王となる |
文帝、呉を攻める | 劉備、陸遜に大敗 | 孫権、独自に年号 | |
223 | 曹仁が呉に破れる | 劉備死す | 蜀と同盟。 |
224 | 文帝、呉を攻める | 呉の使者が来訪 | 徐盛が魏を退ける |
倭女王が遣使 | |||
241 | 呉の侵攻を防ぐ | 蔣琬が進軍する | 魏と対峙する |
243 | 倭女王卑弥呼が遣使 | 姜維が大将軍に | 顧雍、死す |
244 | 曹爽が漢中で敗退 | 費禕が魏軍を退ける | 陸遜が丞相となる |
250 | 呉の混乱に乗じて攻撃 | 姜維が西平へ進軍 | 孫亮が太子 |
252 | 呉の南郡を攻める | 孫権が死す | |
253 | 呉軍と攻防を繰返す | 費禕が刺殺される | 諸葛恪が殺される |
263 | 蜀を平定 | 蜀は滅亡 | |
280 | 呉を滅ぼし統一 | 魏は滅亡 |
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2、故事
(1)月旦評
(げったんひょう)
意味:毎月1日に人物の批評や
品定めをすること。
エピソード:後漢の時代には、
人物の批評が盛んに行われていました。
その中でも許劭
(きょしょう・後漢末期の人物評論家)が、
毎月1日に自分の故郷の人達の
人物批評を楽しんだことから、
それを「月旦評」と言うようになりました。
(2)七歩の才
(しちほのさい)
意味::作詞の才能に優れていて、
七歩歩く間に詩ができると言われる位
作詞が早くできる才能がある。
エピソード:曹操の死後、
跡を継いだ曹丕(そうひ)は、
弟の曹植(そうしょく)に
文才があるのを妬んで、
「七歩歩く間に詩を作れ。
できなければ死刑にする」と
命令しました。
曹植が立ちどころに
兄から受けている無情を
表す詩を作りました。
(3)人中の呂布、馬中の赤兎
(じんちゅうのりょふ、ばちゅうのせきと)
意味:人間の中には
呂布という優れた人物がいて、
馬の中には、
赤兎という1日千里走る名馬がいる。
エピソード:呂布は黒山賊との闘いの時に、
赤兎馬に乗り、
相手より少ない兵力で見事勝利を収めました。
この戦いにより
「人中の呂布、馬中の赤兎」」と
称えられました。
(4)胆斗の如し
(たんとのごとし)
意味:肝が一斗升
(いっとしょう・約2リットル)のように
大きくて動じないこと。
非常に大胆の例え。
エピソード:蜀の武将・姜維(きょうい)が、
闘いで敗れて殺されました。
その時、腹を割くと、
肝の大きさが一斗升あったと
いわれています。
(5)桃園の誓い
(とうえんのちかい)
意味:大きな志を
成し遂げるために固く誓い合い、
義兄弟の契りを結ぶこと。
エピソード:劉備、関羽、張飛の3人が
張飛の家で宴会を開き、
劉備が長男、関羽が次男、
張飛が三男の義兄弟の契りを結び、
生死を共にすると桃畑で誓い合いました。
(6)白眉
(はくび)
意味:数ある優れたものの中でも、
特に優れているものや人のこと。
エピソード:蜀に馬氏5兄弟がいて、
彼らはみんな優秀との評判でしたが、
そのなかでも馬良(ばりょう)が
もっとも優れていました。
馬良は、眉毛に白い毛があったため
「白い眉がもっとも良い」と
いわれていました。
(7)伏竜鳳雛
(ふくりょうほうすう)
意味:才能があるのにチャンスに恵まれず、
まだ世間に知れ渡っていない人のこと。
将来の有望株。
エピソード:司馬徽
(しばき・後漢末期の人物評論家)は、
これから世に出る有望な人物は、
「伏竜と鳳雛」と呼ばれる人物だとし、
池に潜んでいる竜を諸葛孔明、
鳳凰の雛を龐士元
(ほうしげん・後漢末期の武将)に
例えました。
(8)乱世の英雄
(らんせいのえいゆう)
意味:平和な世の中では悪人だが、
乱れた世の中で、
力を発揮し英雄になる人物。
エピソード:曹操がまだ若いころ、
許劭(きょしょう・後漢末期の人物評論家)に
人物評価を頼んだが、
聞き入れてくれなかったので、
脅したところ、しぶしぶ引き受けて
「あなたは世の中が平和な時には悪人だが、
乱世では英雄だ」と答えました。
(9)藍田、玉を生ず
(らんでんたまをしょうす)
意味:立派な家柄からは
賢明な子供が生まれること。
エピソード:藍田とは、
中国の地名で美しい玉の産地です。
呉の孫権(そんけん・呉の初代皇帝)が、
諸葛瑾(しょかつきん・呉の政治家、武将)に
息子の優秀さを称えて
「立派な家柄からは賢明な子供が生まれる」と
褒めました。
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3、おわりに
【三国志】から「人物」に関わる
「故事」9選を紹介しました。
話題に困った時には、使って下さい。
最後まで読んで頂き有難うございます。
参考書籍:株式会社HK INTERNATIONAL VISION発行
三国志故事成語辞典
参考資料:ウィキペディア
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②三国志より行動に関わる故事8選はこちら
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④三国志より人の生き様に関する故事7選はこちら