最終更新日 2024年6月27日
目次
1、はじめに
2、前立腺がん確定までの検査
3、おわりに
1、はじめに
私は2021年4月22日に
【前立腺がん】の宣告を受けました。
その後のMRI検査の画像の結果から
「3点」で、
評価は「どちらとも言えない」でした。
(=前立腺がんの疑いがある)
しかし「前立腺肥大」は確実に
認められ、
「人の2倍」くらいあると
言われました。
現在は「前立腺肥大を改善する薬」を
服用しています。
今回は「前立腺がん」と確定
するまでの検査の手順と、
その検査から何がわかるのか
頭に入れて頂ければ
いざという時
すこしでも安心して検査を受けることが
できるのではないかと思い
紹介します。
ぜひ参考にしてみて下さいね。
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2、前立腺がん確定までの検査
(1)検尿
①尿の色や濁りをチェック
②尿たんぱく
(本来ならば腎臓で処理されるはずの
たんぱくが尿に出ている状態)
③尿糖
(尿の中に含まれる糖分のこと)
④尿潜血反応
(尿中に含まれる赤血球の有無を
調べます)
⑤感染や細菌の有無がわかります。
(2)尿流量測定
①測定装置に排尿し、
尿の勢いを測ります。
②残尿検査
・流量測定後、ベッドに仰向けになり
「残尿検査」が行われます。
残尿の量から膀胱の異常を
調べます。
③血尿が出た場合は、
尿細胞診を行うことがあります。
尿細胞診とは:
尿の中に含まれている細胞を
顕微鏡で観察し、がんや炎症を
調べる検査です。
前立腺がんの場合も、尿道や
膀胱にがんが広まり、
尿中にがん細胞があらわれることが
あるためです。
(3)I-PSS(国際前立腺症状スコア)と
QOL(生活の質)
①I-PSSは排尿トラブルの
チェックをします。
②QOLは生活の質の改善の
考え方のチェックをします。
③チェックシート (kissei.co.jp)
=キッセイ薬品HPより引用しました。
(4)問診
①病歴、自覚症状、排尿障害の程度、
他の病気の有無を聞かれます。
②既往歴や症状、家族や服用中の薬
についても聞かれます。
(お薬手帳があると便利です)
③現在の体の状態を把握するために
カルテに記録します。
(5)PSA検査
(腫瘍マーカー検査)
腫瘍マーカーとは:
体内に腫瘍ができると、
がんの種類によって
健康な時にはほとんど見られない
特殊な物質 が作られ
血液中に出てくることがあります。
この血液中に出てきた物質を
「腫瘍マーカー」といいます。
①PSAは前立腺特異抗原
(Prostate Specific Antigen)の略で、
採血で行われ、血液中にある前立腺の
特異的なタンパク質である「PSA」の
値を測定します。
②「前立腺がん検診」で行われる
簡便な検査のなかで
もっとも精度が高い検査です。
③「PSA」の値が高くなるにつれ、
前立腺がんである可能性も
高くなっていきますが、
年齢により基準値が設けられています。
④基準値は
・50~64歳は3.0ng/mL以下
・65~69歳では3.5ng/mL以下
・70歳以上は4.0ng/mL以下
です。
ng(ナノグラム)=10億分の1g
(6)直腸診
①医師が肛門から直腸に指を入れ、
直腸の壁越しに前立腺を触る
検査法です。
②直腸診を受ける時は、下半身の
衣服を脱ぎ、
診察台の上で
・膝肘(しっちゅう)位:
肘と膝を診察台につける
・仰臥(ぎょうが)位:
仰向けに寝て、両膝を抱える
・側臥(そくが)位:
横向きに寝て、上側の膝を曲げる
の姿勢をします。
③医師はゴム手袋をはめて、
潤滑剤をつけた人さし指または
中指を肛門からいれます。
④前立腺が平らか、弾力があるか、
左右対称であるか、かたいしこりの
有無について調べます。
⑤痔のある場合は、事前に報告します。
指の入れ方や、潤滑剤の量を注意します。
⑥客観的な数字でのデータがないので、
PSA検査などと合わせて行います。
(7)超音波検査
①前立腺に超音波を当てて、
そのエコー(反響)を
画像として読み取ります。
・前立腺の形の違和感
(健康な人は栗のようで左右対称)
・前立腺の内部画像
(健康なひとは均等な明るさ)
②PSA検査や直腸診では
わからない部分が映し出され、
「前立腺がん」の可能性を
調べます。
③プローブ
(超音波を出したり受けたりする装置)を
腹部に当てる方法
・前立腺の断面をみます。
(がんが大きくないと観察できないので、
早期発見は困難です)
④プローブを
肛門から入れる方法
・鮮明で正確な画像を
みることができます。
(8)CT検査
①コンピュータ断層撮影
(Computed Tomography)の略です。
②人体の輪切り画像をコンピュータ
によって再構成する装置です。
(基本的にはレントゲンと同じ原理)
③近年の技術進歩により、
全身の撮影ができ撮影時間も短い上、
0.5ミリメートルの間隔で
断層画像を作成できるため、
ごく小さい病変も描出可能です。
④造影剤を使用することにより、
腫瘍などの病変部位がわかりやすくなり、
腫瘍付近の血管走行や
栄養血管(身体の末梢組織に酸素と
栄養素を送り届ける血管のこと)
を把握することも可能です。
これによってアレルギー反応が起こる
場合があるため、
アレルギー、喘息、けいれんがある人は
必ず伝えましょう。
⑤画像データから
任意断面像や血管像を作成し、
詳細な診断情報を提供しています。
⑥肝臓やリンパ節への転移といった
広い範囲でのがんの進行具合が
わかります。
⑦低線量でもノイズの少ない
逐次近似(ちくじきんじ)応用再構成を
採用することで、
高画質と被ばく線量低減を両立させ、
特に幼児や経過観察にて複数回CT撮影を
行う方への配慮もあります。
(9)骨シンチグラフィー
①前立腺がんは、骨に転移しやすいという
特徴があります。
②骨にできたがん病巣に
集まる性質のある
アイソトープ(放射性同位元素)を、
静脈注射または点滴をしたあと
撮影をします。
③黒く映し出されることで、
がんの転移がわかります。
④検査に使用する薬剤の放射線は
ごく微量なので数日中には、
尿や便から排出されます。
⑤炎症や骨折の場合も黒くなるので、
これだけでは正確な診断ができません。
(10)MRI検査
①MRIは、
磁気共鳴画像撮影法のことで、
(Magnetic Resonance Imaging)
の略です。
②大きなトンネル型の装置に強力な
磁場を発生させて、
ある周波数の電波を照射すると、
体の中の水素原子が移動します。
③一定時間経ってから照射を止めると、
体内の水や脂肪など、
電波によって移動していた組織が
元の位置に戻ろうとします。
この時の、細胞組織の動きを画像として取得し、
その画像から異常を発見するのが
MRI検査です。
④現在、前立腺がんの存在を
診断するために
もっとも優れた画像検査が
MRIです。
⑤近年、MRI検査の進歩に伴い、
前立腺がんの有無だけでなく、がんの位置、
大きさ、悪性度などがある程度の確率で
予測することが可能になりました。
⑥MRI画像の結果からがんの可能性を
5段階予測する
「PIRADS-score(パイラッズ-スコア)」が
ヨーロッパを中心に提唱され、
日本でも広く用いられるようになり、
がんの可能性を客観的に評価が
できるようになりました。
⑦評価は、
1点:がんの可能性が極めて低い
2点:がんの可能性が低い
3点:どちらとも言えない
4点:がんの可能性が高い
5点:がんの可能性が極めて高い
⑧最近はPIRADS-scoreをもとにして
前立腺生検をするかしないか決める
施設が増えてきています。
(11)前立腺針生検
①PSA値検査、
直腸診でがんが疑われた場合に
前立腺の細胞を直接調べる
針生検が行われます。
②前立腺に針を刺して細胞を取り出し、
その悪性度を調べるものです。
③直腸側から針を刺す方法と、
陰嚢と肛門の間から針を刺す
方法の2種類があります。
④一般的な針生検は6カ所を
調べますが、
最近では隠れた場所にあるがんも
見逃さないために
6カ所以上行うケースが
多くなっています。
⑤前立腺針生検を行う場合は、
検査日の半日前から絶食して
直腸を空にしておきます。
⑥組織の採取自体は局所麻酔や
腰椎麻酔で行い30分位で
終わります。
⑦前立腺針生検後、3日間位は
抗生物質を服用し
感染症を防ぎます。
⑧前立腺針生検は、
外来で日帰りの場合と
一泊程度入院する場合があり、
施設によって異なりなす。
3、おわりに
いかがでしたか?
「前立腺がん」の検査の紹介をしました。
私が受けた検査は
検尿、PSA検査、CT検査、MRI検査
でしたが、
「前立腺がん」の
怖さと同じくらいの
「緊張と恐怖」がありました。
こんな私の経験から
「前立腺がん」の検査を
知ることにより
少しでも「緊張と恐怖」を
取り除いて頂ければと思い
紹介しました。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
参考書籍①:株式会社世界文化社発行
ゼロからわかる前立腺肥大症・前立腺がん参考書籍②:株式会社主婦の友社発行
前立腺がん
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4、参考記事
(1)神社関係
①(健康運の改善におススメの神社は
こちらからどうぞ)
(2)前立腺関係
①(前立腺がんを宣告された
私が受けた検査と前立腺について紹介は
こちらからどうぞ)